紫金山-アトラス彗星は、2023年1月9日に発見された彗星(ほうき星)です。
今年の秋に太陽に、そのあと地球に近づいて、街の中でも特別な道具を使わずに私たちの目で見られるほど
明るくなると期待されています(そのような彗星を肉眼彗星といいます)。
もしそうなれば、とても久しぶりに明るい肉眼彗星が見られることになります。楽しみですね!
ところで、紫金山-アトラス彗星って、ちょっと不思議な名前ですよね。
彗星は、地球と同じように太陽のまわりをまわっている天体の仲間なのですが、発見されて、どのような道筋(軌道)でまわっているかが
たしかめられると、発見した人の名前がつけられるというルールがあります。
紫金山-アトラス彗星の「紫金山」は中国にある紫金山天文台、「アトラス」は地球に近づいて衝突する可能性がある小惑星を監視する自動観測プロジェクトのことです。
これまで、日本人の名前がついた彗星もたくさんあります!
彗星は、ほかの星(恒星や惑星)とちがい、ボーっとした見た目をしています。
そして、しっぽ(尾)が見えることがあります
(尾をのばした姿が掃除のときに使うほうきに似ているので“ほうき星とも呼ばれるのです)。
なぜそのような姿をしているのでしょうか?
彗星の本体(核といいます)は、ほとんど氷でできています。
そこに砂つぶ(ちり)がまざっていて、まるで汚れた雪だるまのようです。
そんな彗星が太陽に近づくと、太陽の熱で氷が蒸発して気体(ガス)になり、
ちりといっしょに核をつつみます。これをコマといいます。
このコマが太陽の光をはねかえして光っているのを私たちは彗星として見ているのです(核は見えません)。
コマはとてもスカスカ。なので彗星はボーっと見えるのです。
ガスやちりの一部は、太陽の光の力を受けて吹き流されます。
それが尾になります。流されたちりでできた尾を「ちりの尾(ダストの尾)」、流されて電離*1したガスでできた尾を「イオンの尾(プラズマの尾)」といいます。このため、尾は太陽とは反対の方向にのびます。
尾をのばした彗星を見ると、まるでロケットのようになにかをふき出して彗星が進んでいるように感じるかもしれませんが、彗星の進む向きと尾の向きは全然関係ないのです。
※1 ガスがプラスの電気をもつつぶとマイナスの電気を持つつぶに分かれることを電離といいます。
彗星の“故郷”は、大きく分けて二つあります。
一つは海王星(太陽系の8つの惑星のうち、いちばん外側をまわっている惑星)の軌道の外にある「エッジワース・カイパーベルト」です。
エッジワース・カイパーベルトには氷でできた小さな天体がたくさんあり、それぞれ太陽のまわりを回っています。
昔は惑星の仲間だった冥王星もエッジワース・カイパーベルトにある天体の仲間です。
エッジワース・カイパーベルトにある天体が、何かのきっかけで太陽に近づくと、彗星として見えるようになるのです。
彗星の“故郷”のもう一つは、エッジワース・カイパーベルトよりもずっと遠くにある「オールトの雲」です。
オールトの雲も小さな氷の天体からできていて、太陽系を包んでいると考えられています。やっぱりなにかのきっかけで太陽に近づくようになると、彗星として見えるようになります。
では、紫金山-アトラス彗星の“故郷”はどちらでしょう。
彗星の中には、①数年から数百年で太陽のまわりをまわるものと、②太陽に一度しか近づかず太陽に近づいた後は太陽系の外に飛び出していってしまうものとがあります。
①の“故郷”がエッジワース・カイパーベルト、②の“故郷”がオールトの雲だと考えられていて、紫金山-アトラス彗星は、②の方の彗星です。
つまり、紫金山-アトラス彗星はオールトの雲からやってきて、今年の秋に初めて太陽に近づいて、そのまま二度と帰ってこない、そんな彗星なんですよ!
太陽の周りをまわっている彗星は、毎晩、夜空の中で見える位置が変わっていきます。
観察する前に、何月何日には何時ころ、どの方角に見えるかを必ず調べておきましょう。
紫金山-アトラス彗星は、明け方の東の空に見える時期と、夕方の西の空に見える時期とがあります。
そして、紫金山-アトラス彗星が見やすい時期は、ぜんぶで3つあります。
まずは2024年9月の終わりころです。夜が明ける少し前に、東の空のとっても低いところに見えるはずです。
紫金山-アトラス彗星は2024年9月27日に太陽にいちばん近づきます。
なので、彗星がいちばん明るく見えるころなのですが、彗星が地平線にとっても近いところにあるので、とても見にくいです。
しかも、すぐに空が明るくなって見えなくなってしまいます。
東の空が地平線の近くまですっきり晴れていないといけませんし、東の方角に高い建物や山などがない場所で見ないといけません。早起きも必要ですね!
2024年10月の初めの頃は、紫金山-アトラス彗星と太陽の空での位置が近く、彗星を見ることはほとんどできません。
彗星が見やすくなるのは、2024年10月12日(土)ころからです。このころは、彗星は夕方の西の空に見えるようになります。
だんだんと空での高さが高くなっていくので、見やすく、見られる時間も長くなっていきます。
このころ、夕方の西の空には金星も見ているので、目印にするといいでしょう。
彗星はだんだんと太陽からはなれていきますが、地球には近づいてくるので、急には暗くならないはずです。
ただし、この時期は月明かりがじゃまになってしまいます。(2024年10月17日(木)満月です!)
要注意!それでも、いちばん見やすいのはこの時期だと思います。
2024年10月20日(日)からは、さらに空高く見えるようになりますし、月明かりに邪魔をされることもなくなります。
まわりに目印になるような明るい星があまりないのですが、へびつかい座の星などをたよりに探してみましょう。
ただ、彗星が太陽からも地球からもはなれていく時期なので、どんどん暗くなっていってしまいます。街の中だと、もう双眼鏡がないと見えないかもしれません。
というわけで、まとめると、紫金山-アトラス彗星がいちばん見やすいのは2024年10月19日(土)~2024年10月23日(水)ころだと予想します。
あたりまえですが、彗星は晴れないと見えません。天気予報をチェックして、晴れそうな日を逃さないようにしましょう。
彗星と流れ星は、よく似たようなものだと勘違いされてしまうのですが、違う天体です。
まず、見え方が違います。「空のどの位置に見えるの?」で、彗星は、夜空での見える位置が変わるといいましたが、それでも見ていて動いているのがわかる、なんてことはほとんどありません。
1時間や2時間なら空の同じ場所にずっと見えます。ところが、流れ星が見えるのは一瞬です。1秒も見えていないことがほとんどです。
そして、彗星と流れ星は、みなさんからの“距離”もちがいます。
彗星は地球と同じように太陽の周りをまわっている天体で、月よりもずっと遠くにあります。地球に近づいた時でも、何千万kmとか何億kmと離れています。
反対に、流れ星はとっても“近い”です。流れ星が光っているのは、みなさんの頭の上、たった100 kmくらいのところ、地球の大気の中なのです。
でも、彗星と流れ星、ぜんぜん関係ないかというと、そんなことはありません。
実は、流れ星の生みの親は彗星なんです。流れ星の“正体”はとっても小さな砂つぶ(ちり)。
そんな小さなちりが、地球の大気にものすごい速さでぶつかってきて、
地球の大気をぎゅっとちぢめて、熱くなって光っているのが流れ星です。
そして、そのちりを宇宙にまきちらしているのが彗星なのです。
「紫金山-アトラス彗星が見られる仕組み」で、彗星はちりがまざった氷でできていること、彗星が太陽に近づくと氷が蒸発してちりもいっしょに出てくるといいました。
そのちりのうち、小さいものは太陽の光の力で流されて尾になりますが、大きいものは彗星といっしょに太陽の周りをまわるようになります。
そして、だんだんと彗星の前や後ろにちりが広がっていって、彗星の軌道に沿ってちりの通り道がつくられます。
もし地球の軌道と彗星の軌道が交わっていると、毎年、彗星の軌道を地球が横切るときにちりと地球がぶつかって、たくさんの流れ星が見られます。これが流星群です。
とても長い時間がたつと、ちりの通り道もだんだんと広がっていきます。そんな、宇宙に広がっていったちりが地球とたまたまぶつかると、流星群とは関係なく見られる流れ星(散在流星といいます)になるのです。
彗星は、毎年何十個も太陽に近づいています。
では、なぜ紫金山-アトラス彗星に注目があつまっているのでしょう?
それは、明るくなって、道具なしでも(肉眼で)見られるようになるかもしれないからです。
さらに、そんなに明るくなる彗星がやってくるのは、かなり久しぶりだからです。
夜空を見上げればだれもが見える彗星がやってくるのは27年ぶりくらい!紫金山-アトラス彗星は、子どもたちにとって人生で初めて見る彗星になるかもしれません。
ただし、彗星は予想通りに明るくならない可能性もあります。
もしかしたら、肉眼で見えるほど明るくならないかもしれません。
太陽に近づいている途中でこわれてしまった!なんていう彗星もありました。
もし残念な結果になってしまっても、それは宇宙の不思議を考える、いいきっかけになります。
まだまだ彗星にも宇宙にも分からないことがたくさんあることを知ることができる、そんな機会になるはずです。
文責 平塚市博物館 学芸員(天文) 塚田健
小学校では教科書内に具体的な彗星の扱いはほとんどありません。また中学校の教科書でも、彗星は惑星以外の天体の一つとして簡単に紹介されているだけです。
しかし、未知の世界を数十年、時には数百年の時を超えて旅をしてきた彗星には説明できないほどの魅力があります。
今から38年前にハレー彗星がやってきたときも日本中が沸き上がりました。
圧倒的なロマンの塊をこどもたちに見せることで、空想のような世界が現実にあるということを自然に伝えられる観測会を実施することには大きな意義があると考えています。
学童保育では、子どもたちの心身の発達と育成のため、様々な教育プログラムを展開されていると存じます。
その中の一つとして、天体観測会をイベントの一つとして取り入れられてはいかがでしょうか?
柴金山-アトラス彗星は、2023年1月9日に発見された彗星(ほうき星)です。
今年の秋に太陽に、そのあと地球に近づいて、街の中でも特別な道具を使わずに私たちの目で見られるほど明るくなると期待されています。
(そのような彗星を肉眼彗星といいます)。
もしそうなれば、とても久しぶりに明るい肉眼彗星が見られることになります。
楽しみですね!
ところで、柴金山-アトラス彗星って、ちょっと不思議な名前ですよね。
彗星は、地球と同じように太陽のまわりをまわっている天体の仲間なのですが、発見されて、どのような道筋(軌道)でまわっているかがたしかめられると、発見した人の名前がつけられるというルールがあります。
柴金山-アトラス彗星の「柴金山」は中国にある柴金山天文台、「アトラス」は地球に近づいて衝突する可能性がある小惑星を監視する自動観測プロジェクトのことです。
これまで、日本人の名前がついた彗星もたくさんあります!
彗星は、ほかの星(恒星や惑星)とちがい、ボーっとした見た目をしています。
そして、しっぽ(尾)が見えることがあります(尾をのばした姿が掃除のときに使うほうきに似ているので“ほうき星とも呼ばれるのです)。
なぜそのような姿をしているのでしょうか?
彗星の本体(核といいます)は、ほとんど氷でできています。
そこに砂つぶ(ちり)がまざっていて、まるで汚れた雪だるまのようです。
そんな彗星が太陽に近づくと、太陽の熱で氷が蒸発して気体(ガス)になり、ちりといっしょに核をつつみます。
これをコマといいます。
このコマが太陽の光をはねかえして光っているのを私たちは彗星として見ているのです(核は見えません)。
コマはとてもスカスカ。
なので彗星はボーっと見えるのです。
ガスやちりの一部は、太陽の光の力を受けて吹き流されます。
それが尾になります。
流されたちりでできた尾を「ちりの尾(ダストの尾)」、流されて電離*1したガスでできた尾を「イオンの尾(プラズマの尾)」といいます。
このため、尾は太陽とは反対の方向にのびます。
尾をのばした彗星を見ると、まるでロケットのようになにかをふき出して彗星が進んでいるように感じるかもしれませんが、彗星の進む向きと尾の向きは全然関係ないのです。
※1 ガスがプラスの電気をもつつぶとマイナスの電気を持つつぶに分かれることを電離といいます。
彗星の“故郷”は、大きく分けて二つあります。
一つは海王星(太陽系の8つの惑星のうち、いちばん外側をまわっている惑星)の軌道の外にある「エッジワース・カイパーベルト」です。
エッジワース・カイパーベルトには氷でできた小さな天体がたくさんあり、それぞれ太陽のまわりを回っています。
昔は惑星の仲間だった冥王星もエッジワース・カイパーベルトにある天体の仲間です。
エッジワース・カイパーベルトにある天体が、何かのきっかけで太陽に近づくと、彗星として見えるようになるのです。
彗星の“故郷”のもう一つは、エッジワース・カイパーベルトよりもずっと遠くにある「オールトの雲」です。
オールトの雲も小さな氷の天体からできていて、太陽系を包んでいると考えられています。
やっぱりなにかのきっかけで太陽に近づくようになると、彗星として見えるようになります。
では、柴金山-アトラス彗星の“故郷”はどちらでしょう。
彗星の中には、
①数年から数百年で太陽のまわりをまわるものと、
②太陽に一度しか近づかず太陽に近づいた後は太陽系の外に飛び出していってしまうもの
とがあります。
①の“故郷”がエッジワース・カイパーベルト、②の“故郷”がオールトの雲だと考えられていて、
柴金山-アトラス彗星は、②の方の彗星です。
つまり、柴金山-アトラス彗星はオールトの雲からやってきて、今年の秋に初めて太陽に近づいて、そのまま二度と帰ってこない、そんな彗星なんですよ!
太陽の周りをまわっている彗星は、毎晩、夜空の中で見える位置が変わっていきます。
観察する前に、何月何日には何時ころ、どの方角に見えるかを必ず調べておきましょう。
柴金山-アトラス彗星は、明け方の東の空に見える時期と、夕方の西の空に見える時期とがあります。
そして、柴金山-アトラス彗星が見やすい時期は、ぜんぶで3つあります。
まずは2024年9月の終わりころです。
夜が明ける少し前に、東の空のとっても低いところに見えるはずです。
柴金山-アトラス彗星は2024年9月27日に太陽にいちばん近づきます。
なので、彗星がいちばん明るく見えるころなのですが、彗星が地平線にとっても近いところにあるので、とても見にくいです。
しかも、すぐに空が明るくなって見えなくなってしまいます。
東の空が地平線の近くまですっきり晴れていないといけませんし、東の方角に高い建物や山などがない場所で見ないといけません。
早起きも必要ですね!
2024年10月の初めの頃は、柴金山-アトラス彗星と太陽の空での位置が近く、彗星を見ることはほとんどできません。
彗星が見やすくなるのは、2024年10月12日(土)ころからです。
このころは、彗星は夕方の西の空に見えるようになります。
だんだんと空での高さが高くなっていくので、見やすく、見られる時間も長くなっていきます。
このころ、夕方の西の空には金星も見ているので、目印にするといいでしょう。
彗星はだんだんと太陽からはなれていきますが、地球には近づいてくるので、急には暗くならないはずです。
ただし、この時期は月明かりがじゃまになってしまいます。(2024年10月17日(木)満月です!)
要注意!それでも、いちばん見やすいのはこの時期だと思います。
2024年10月20日(日)からは、さらに空高く見えるようになりますし、月明かりに邪魔をされることもなくなります。
まわりに目印になるような明るい星があまりないのですが、へびつかい座の星などをたよりに探してみましょう。
ただ、彗星が太陽からも地球からもはなれていく時期なので、どんどん暗くなっていってしまいます。
街の中だと、もう双眼鏡がないと見えないかもしれません。
というわけで、まとめると、柴金山-アトラス彗星がいちばん見やすいのは2024年10月19日(土)~2024年10月23日(水)ころだと予想します。
あたりまえですが、彗星は晴れないと見えません。
天気予報をチェックして、晴れそうな日を逃さないようにしましょう。
彗星と流れ星は、よく似たようなものだと勘違いされてしまうのですが、違う天体です。
まず、見え方が違います。
「空のどの位置に見えるの?」で、彗星は、夜空での見える位置が変わるといいましたが、
それでも見ていて動いているのがわかる、なんてことはほとんどありません。
1時間や2時間なら空の同じ場所にずっと見えます。
ところが、流れ星が見えるのは一瞬です。1秒も見えていないことがほとんどです。
そして、彗星と流れ星は、みなさんからの“距離”もちがいます。
彗星は地球と同じように太陽の周りをまわっている天体で、月よりもずっと遠くにあります。
地球に近づいた時でも、何千万kmとか何億kmと離れています。
反対に、流れ星はとっても“近い”です。
流れ星が光っているのは、みなさんの頭の上、たった100 kmくらいのところ、地球の大気の中なのです。
でも、彗星と流れ星、ぜんぜん関係ないかというと、そんなことはありません。
実は、流れ星の生みの親は彗星なんです。流れ星の“正体”はとっても小さな砂つぶ(ちり)。
そんな小さなちりが、地球の大気にものすごい速さでぶつかってきて、
地球の大気をぎゅっとちぢめて、熱くなって光っているのが流れ星です。
そして、そのちりを宇宙にまきちらしているのが彗星なのです。
「柴金山-アトラス彗星が見られる仕組み」で、彗星はちりがまざった氷でできていること、彗星が太陽に近づくと氷が蒸発してちりもいっしょに出てくるといいました。
そのちりのうち、小さいものは太陽の光の力で流されて尾になりますが、大きいものは彗星といっしょに太陽の周りをまわるようになります。
そして、だんだんと彗星の前や後ろにちりが広がっていって、彗星の軌道に沿ってちりの通り道がつくられます。
もし地球の軌道と彗星の軌道が交わっていると、毎年、彗星の軌道を地球が横切るときにちりと地球がぶつかって、たくさんの流れ星が見られます。
これが流星群です。
とても長い時間がたつと、ちりの通り道もだんだんと広がっていきます。
そんな、宇宙に広がっていったちりが地球とたまたまぶつかると、流星群とは関係なく見られる流れ星(散在流星といいます)になるのです。
彗星は、毎年何十個も太陽に近づいています。
では、なぜ柴金山-アトラス彗星に注目があつまっているのでしょう?
それは、明るくなって、道具なしでも(肉眼で)見られるようになるかもしれないからです。
さらに、そんなに明るくなる彗星がやってくるのは、かなり久しぶりだからです。
夜空を見上げればだれもが見える彗星がやってくるのは27年ぶりくらい!
柴金山-アトラス彗星は、子どもたちにとって人生で初めて見る彗星になるかもしれません。
ただし、彗星は予想通りに明るくならない可能性もあります。
もしかしたら、肉眼で見えるほど明るくならないかもしれません。
太陽に近づいている途中でこわれてしまった!なんていう彗星もありました。
もし残念な結果になってしまっても、それは宇宙の不思議を考える、いいきっかけになります。
まだまだ彗星にも宇宙にも分からないことがたくさんあることを知ることができる、そんな機会になるはずです。
文責 平塚市博物館 学芸員(天文) 塚田健
小学校では教科書内に具体的な彗星の扱いはほとんどありません。
また中学校の教科書でも、彗星は惑星以外の天体の一つとして簡単に紹介されているだけです。
しかし、未知の世界を数十年、時には数百年の時を超えて旅をしてきた彗星には説明できないほどの魅力があります。
今から38年前にハレー彗星がやってきたときも日本中が沸き上がりました。
圧倒的なロマンの塊をこどもたちに見せることで、空想のような世界が現実にあるということを自然に伝えられる観測会を実施することには大きな意義があると考えています。
学童保育では、子どもたちの心身の発達と育成のため、様々な教育プログラムを展開されていると存じます。
その中の一つとして、天体観測会をイベントの一つとして取り入れられてはいかがでしょうか?